mar 11 2022
資料編
漁業国日本を知ろう!
おさかな普及センター資料館 館長
坂本一男さま
日本は世界でも有数の漁業国ではありますが、食用魚介類のおよそ半数を海外の国々から輸入しているのが実態。書籍「漁業国 日本を知ろう 資料編」(ほるぷ出版)では、日本は、漁業・養殖業の生産量で第9位に位置している現状がビジュアルでわかります。
主な国の漁業・養殖業の生産量(2012年)
世界計 1億8294万トン(うち養殖業 9043万トン)
1位 中国 7037万トン(うち養殖業 5394万トン)
2位 インドネシア 1542万トン(960万トン)
3位 インド 908万トン(421万トン)
4位 EU 599万トン(127万トン)
5位 ベトナム 594万トン(332万トン)
6位 アメリカ 556万トン(42万トン)
7位 ペルー 492万トン(7万トン)
8位 フィリピン 487万トン(254万トン)
9位 日本 486万トン(107万トン)
とはいえ、日本は数多くの魚種に恵まれた国。日本の漁業をデータから知りたいという想いから、本書を監修された、おさかな普及センター資料館 館長であられる坂本一男さんをお招き、たっぷりお話を伺いました。
日本の漁業を語る上で、日本は世界第6位の排他的経済水域があり恵まれていると思いきや、排他的経済水域のランキングで1位のアメリカ、2位のオーストラリアはそれほどの漁業国ではないこと、また中国が海草、貝類、ハクレンなどのコイ、淡水魚の養殖等により、圧倒的な漁業大国へと成長していることなどがわかります。
その上で、番組を盛り上げてくださるSANKO MARKETING FOODS、長澤成博さんから静岡・沼津を中心に、また、私からは愛媛、鹿児島の養殖、そして北海道について、坂本先生に質問させていただきました。
北海道といえば、ホタテの漁獲量が日本一である猿払村が有名です。ホタテを「獲る」から「育てる」に方向転換、積極的な投資が奏功したことで村は潤い、ホタテ御殿が建ったというエピソードなどが聞かれるようになりました。漁業に従事するという観点から、「日本ならではの関わり方があるのではないか」という話もいただきました。
魚食文化復権についても話題は弾みました。軽井沢は日本に8つある海なし県の一つ。調理離れが進み、歳を重ねたら魚を食べるようになるということもデータ上見られない中、おさかな普及センターとして幼少期から魚食に親しんでもらいたいという想いも聞かせていただきました。お子さまをお持ちのご家庭には、書籍「漁業国 日本を知ろう」シリーズを1冊、できれば資料編とお住まいが該当する地域別編の2冊、手元に置いて欲しいと思いました。坂本先生のお話、ぜひお聴きください!
【書籍紹介】
書籍:漁業国日本を知ろう 資料編
(発行:ほるぷ出版)
魚介類の輸出入や漁獲量など「世界における日本の漁業」がわかるデータや、都道府県ごとの最新漁業データが満載。小5社会、中2社会での水産業の学習をサポートでき、調べ学習に最適な資料です。
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【スペシャルゲストプロフィール】
坂本 一男(さかもと・かずお)
1951年、山口県生まれ。おさかな普及センター資料館館長。北海道大学大学院水産学研究科博士課程単位修了。水産学博士。東京大学総合研究博物館研究事業協力者も務める。